第1回では、家庭で使われているエネルギーの中身を考えました。今度は「建物を出入りする熱エネルギー」について考えます。熱収支なんてタイトルだとちょっと面倒くさい話のようですが、建物の熱の出入りをどうすれば快適に過ごせるのか、どんなふうに空気と熱をデザインしていけばよいのか、そういうことをイメージしてもらおうという目的です。
さて、下のグラフは建物の熱収支を表した模式図です。木造住宅の室温の変化を見ていきます。グラフの縦軸は温度、横軸は1日24時間です。縦軸のなかほどにある点線は、仮に20℃としておきましょう。模式図なので、20℃そのものには特別な意味はありません。
どうでしょうか。なんとなくイメージできましたか。こういった考え方を「クライマティック・デザイン」と呼び、建物の応答特性を調節したり、昼と夜の切り替えをすることで、暑すぎたり寒すぎたりといった熱環境を緩やかな変化に整えていこう、すなわち、建物の「集熱(日射取得量)」・「蓄熱」・「断熱気密」の3要素のちょうどいいバランスを探そうよということです。
では具体的にどうすればいいのかというと、まず最初にすることは「その土地の気象を知る」ことです。その土地の気象がどんな特徴をもっているのか。一日の温度差はどのくらいあるのか。日射量はどのくらいあるのか。建物は外界とつねに応答しているわけですから、まずはその外界を知ることから始まるわけですね。研究所のサイトでは、「気象概要を知る」と題して日本各地の気象概要を掲載しています。月ごとにまとめた数字を基にしているので少しわかりにくいかもしれませんが、お住まいの地域と訪ねたことのある地域の気象を比べるなどして、どんな特徴があるか探してみてください。

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