ほんとうにそうなのかどれくらいそうなのか
OM研究所研究助成報告展覧会 世界の民家に見る気候性効果調査 その1高温低湿地帯「アンダルシアの二つの村」 東京芸術大学建築科 益子研究室 12/5〜12/0 吉村順三記念ギャラリー
12月13日(土)14:00〜17:00■

「ほんとうにそうなのか どれくらいそうなのか」 ギャラリートーク開催


住宅建築専門家の立場である建築家と計測など学問的に分析をしている環境専門家とが同席しての意見交換を行います

 話者:東京藝術大学・益子義弘氏、東京都立大学・須永修通氏、他

[アンダルシアの二つの村]
 スペインの集落を訪ねた。
 イベリア半島の地中海側、アンダルシア地方にある小規模な街GUADIX とSETENIL。その両方に共通しているのは、家々が共に大地の中にあることだった。
 一方のGUADIXは一帯のこまかな起伏のある台地に、その地形の凹凸を縫うように穴を掘って住居とし、もう一方のSETENILは川が蛇行して侵食した深い崖地の切れ込みに、そのえぐられた空間を利用して住居化したものだ。そして共に、人の住む場所は一帯の自然の色合いと拮抗するように真っ白に塗られている。
 人々の棲家のもっとも原初的なかたちである穴。そこに付された人の意思の刻印であるかのような白い石灰の塗膜。そのいかにも単純な空間と表層の二つの重なりが、今に続く生活の場を支えていた。

 世界の各地にあるプリミティブな民家について、そのそれぞれの土地や気候や風土に応じた造りの合理性はかねてからよく語られています。使われる素材や空間のかたち、住まい方や生活の多様さ、その土地や環境の特質に応じて人々の長い経験や知恵の中から生まれ築かれて今もある心惹かれる家たち。
 でも実際はどうなのか。どれほどの効果をその造りが持っているのか。そしてまた、現代の私たちの温熱的な環境の水準とそれらはどう比べられるのか。そんな素朴な疑問と興味を初心とし、OM研究所と協会からの助成を得て、この調査のシリーズを始めました。
 一昨年はイランの砂漠、昨年のペルー高地の湖上、そしてこ今年の夏にスペイン南部の地中住居を訪ね、それぞれの固有な空間性の記録と共にいくらかの環境比較が可能な複数のデータが集まりつつあります。今回はそのうちのスペインを先にして、第一回目の報告の展覧会を開くことにいたしました。
 ご高覧の上、ご批評、ご助言をいただけますよう、メンバー一同願っております。

代表・東京藝術大学・益子義弘
建築科益子研究室・一同

東京芸大益子研究室はこれまで3回、研究助成による調査・分析を実施してきました。
テーマ:
[世界の民家の構成に見る気候的合理性と
 その原空間性の調査研究 その1 高温低湿地帯] 
第一回 イラン/テヘラン近郊の集落と民家
第二回 ペルー/チチカカ湖上の草の家とその周辺
第三回 スペイン南部・セテニールおよびグァディクスの住居
この3回について、新しいものの報告展示から始めていきます。
来年度は春から夏にかけて第二回とと第一回目の報告会を開く予定です。
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