OM研究所 現在未来 INTERVIEW vol.2 2004/4/26OM研究所所長野沢正光その2
N :野沢正光  T :丹羽朋子

T :

今回は農業の話を中心におうかがいしたいと思います。

N :

最近忙しくて全然行ってなくて、こないだやっと。

T :

一年を通してずっとやってるんですか? お休みはないわけですか?

N :

うん。プロジェクト自体はね。僕の関わり方はほんの一部だから。もう7、8年やってるのかな、僕も。

T :

元々は確か(芸大の)同級生の・・・

N :

そう、菅沢ってやつ。菅沢も僕を誘うちょっと前に始めたみたいだけどね。

T :

菅沢さんも相模原の方なんですか?

N :

そうそう。で「いるな」と思ってたから引っ越すときに連絡したの。そしたらしばらく経ってその話が出て。その頃はたぶん『母と子の青空教室』っていう、北相農民組合っていうお百姓さんの組合が、母と子っていうぐらいだから、どっちかっていうと子供を田圃で遊ばせるみたいな仕組みだったんだと思う。それに参加しませんかみたいなことで子供とかみさんと行って。大体は組合の人たちがやっておいてくれて、田植えの時に行けばいいみたいな。

T :

なるほど、最初は。でも今は違いますよね?

N :

よくボーイスカウトなんかでもこう、やってると子供はどんどんボーイスカウトを卒業しちゃうけど、父兄たちだけが居残っちゃって、子供は「もういいよ」って言っていなくなっちゃうみたいな組織ってあるじゃん。あれ的なところがあって大人だけ残っちゃった(笑)。結構男が残っちゃって・・・残ったっていうのは変だけど、やりたがっちゃったっていうのかな。表のところだけじゃなくてその前は何をやってるんですか、そっちもやってもいいよ、みたいな。冬の田起こしとかトラクター使ってやるのもやりたいとか。

T :

何人ぐらいの規模なんですか?

N :

どのぐらいかな? 全然憶えてないけど、田植えの時は大勢いたよ、イベントみたいに。

T :

何人ぐらい?

N :

子供大人入れて20人以上いたんじゃないかな。

T :

大勢ってほどでもないよねー。

N :

でも大勢だよ。

T :

その当時は、あれですか、そんなに田圃の規模は・・・

N :

最初からたぶん2町歩ぐらいはあったのかな。平本さんという人が借りてくれて、水田組合の人に声を掛けたら結構(借りられた)。大島っていう中洲みたいたな場所で、中には結構荒れてるところもあったんだって。荒れてるっていうかもう耕作放棄してるとことか、葦みたいのがわーっと生えてるみたいなとことか。もうできないなあと思ってるお年寄りの田圃とか。そこをフィールドにして今もう3町歩ぐらいになってるのかな。

T :

最初は田圃だけだったんですね。

N :

そうです。田圃だけ。プロのお百姓さんたちはみんな兼業なんだよね。もちろん子供たちが手伝ってくれてる人もいるけど、大部分は孤独にやってる、そういう状況だよ。田植えの時と稲刈りの時は一所懸命やってるけど、あまり見かけないような気がする・・・
なぜ貸してくれるかってことがもう一つあって、水田組合から抜けたり手放せば別かもしれないけど、ポンプで水を相模川から揚げたりするから、まず田圃を持ってるってだけで経費が掛かる。水田組合に所属してるとそのための電気代とかいろいろ。それからもうひとつ、草ぼうぼうにしとくと他の田圃に迷惑がかかる。種が飛ぶとかひえだらけになっちゃうとかいろんなこと起きるから、その草を刈ってもらう人手にまたお金がかかるわけだよね。それだったら誰か使っといて田圃にしといてくれや、という話があるのかもしれない。

T :

畑は? 途中から、やろうってことになったんですか。

N :

平本さんに畑があったからそれも少し(経緯としては)あったかもしれない。風景としてその大島ってのは結構きれいなのよ。両側が土手っていうか斜面で、そこは緑で中に川が2本、真ん中に芋みたいな格好した島があるわけ。そこに入っちゃうと人工物は向こうの方に架かってる橋だとかこっちに出来た子供たちの野外学習施設みたいのとかいくつか見えるんだけど、大まかにいうと緑と水しかないような所。畑のある所っていうのは、相模原って16号線が中を抜けてたりだとか、南へ行くと東名高速道路があったり、上へ行くと中央道があったりするから結構交通が凄くて、違法転用とかゴミが積んであるとか建築廃材が置いたままになっちゃってるとか、仮囲いみたいの中で火を燃やしてるとか、自動車の壊れたのや部品みたいのが山のように積んであるとか、どっちかっていうと畑はそういう雰囲気の中なの。それでもまあ畑もやろうっていうことで、同じぐらいの面積やってるんじゃないかな。だけど畑ってローテーションが、もうついてけないぐらい大変なんだよ。田圃は1年のサイクルだから。

T :

楽なわりに食べられる人口が多いっていう。

N :

楽っていうか(笑)。今日できないことは明日にしてもだいじょぶだし、場合によっては1週間先でもいいっていう。そんなこというと怒られるかもしれないけど、畑はそうはいかない。畑は3日ほっといたらみんな商品にならないとか、こんなでかい小松菜になっちゃうとか、コチンコチンで硬いオクラになっちゃうとか。そういう時間の速さだから。今のようなやり方でマーケットを持って売ろうとすると・・・

T :

野菜売ってるんですか?

N :

うん、売ってるよ。即売もしてるしもっといろんなことやってる。僕はやってないけど皆はやってる。売ろうとすると、たとえば同じキュウリでも1回植えると同時にバーッと出来ちゃうわけじゃない。植えて何ヶ月後かにバーッと。

T :

よくありがちな、そんなにいっぺんに食べられないよってやつ。

N :

だから毎日たくさん種を蒔いとけば、毎日少しずつ同じ量だけ出てくる。そのかわり毎日種蒔いてるって作業が出てくるわけじゃない。

T :

野沢家の自給率ってどのぐらいですか。

N :

100パーセント超えるよ。行けばね。行かないと手に入れるのはなかなかね(笑)。こないだの日曜だってホウレンソウとか小松菜とかジャガイモをこんなに持って帰ってきて、いまだに食べてます。買ってもらえるように一応ビニールの袋に入れたりなんかして、あるいはスーパーとかに卸すみたいなことも一部やってると思うし、宅配もやってるんだよ。そのために荷造りするのが大変なんだよ。痛んだ葉っぱ取るとか。

 
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