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今日は2004年6月に竣工したOMソーラー協会の新社屋『地球のたまご』について、設計者の永田昌民さんにお話をうかがいます。そもそも、OMソーラーという集まりがあって、(代表の)小池一三さんは施主としていろいろな思いがあったわけですね。永田さんご自身も設計者としてOMソーラーに深く関わってこられて、この建築に対する思いみたいなものが、設計者としても特別にあったんじゃないかと、その辺りをまず質問したいんですが。
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特別な思いというのはなかったんです。
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またまた。
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いや、ちょっと経過を言うとね… 話の始まりは7年前(1996年)、社内研修会で「新しい社屋ができるといいね」という話があったらしいんだよ。その後1〜2年して、小池さんが村櫛の敷地を候補にあげていると。それから2年くらい経って見に行って、「え、こんなところに建てるの?」というような話だったわけです。今年が2004年だから2000年ぐらいに、「やっぱりやりたい、敷地の手配ができた」と。協会からの要望としては、好きな場所で誰でも仕事が出来るというふうな、彼ら曰く「飲茶空間」の仕事場。大きな架構の中で、それぞれ皆好きな所で仕事ができるようにという、最初の要望があったから、まず基本構想にとりかかったんです。
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T :
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その要望はどういった中から出てきたものなんですか? やはり研修会みたいな? |
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うん。それと何回か会議はやったんじゃないかな。皆の意見を聞いて、どういうふうにするのが良いか、OMであるということはどういうことか、とか。ともかく「飲茶空間」ふうなものを基本構想でやってみようと。具体的な要望がいくつか、南向きだと暑くて仕方がないとか。今までの協会の建物がそうで夏はブラインド締め切っていたから。断片的にしか憶えてないけど、構想としては、北側斜面の造成、敷地はフラットなので、盛土しないとできないだろうということがあった。『地球のたまご』というから、じゃぁ池は卵型にしようと、非常に短絡的な…(笑) 最初は卵型してたの。何となくね。(地球のたまご配置図)
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北側採光ということから、敷地の南側に建物を寄せて、池があってという形になったわけですね。
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地球のたまご全景 |
夏の南からの直射を少なくすること、それと植物は太陽の方向に花を向けるから風景としては一番いいわけです。開花が正面から見えるという、北斜面にするというのはそれもあったんですよ。もう一つは南側の既存の建物を視界に入れたくなかった。それと軸性という話が出てきて、軸を真北にすると向こう側の山、いわゆる奥浜名湖の先のそんなに高くないけど山が見える。その前提で、吹き抜けのある、仕事をするところとご飯を食べるところと、ハンドリングボックスやずっとやってきたOMの歴史を見せるホールみたいなもの。二つに分けてそれに一つの屋根をかけちゃおうと。で、またしばらく時間をおいて。次は何だっけかな…
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大体でいいです(笑)。
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そのとき同時に気象観測が始まったんだ。
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『たまご』の敷地で?
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そう。タワー建てて1年ちょっと続いたんですよ。そのうちにデータ、気温や風向風速が出てきた。それと地盤、ボーリングしたらすごく悪い。(深さ)14、5メートルまでN値※が出ない。東海沖地震で流動化現象が起きるかもしれないという、いや確実に起きるだろうという(予測が)、地震学会かなんかから出てきてはいるんだよね。ま、少しずつ断片的に具体的にそんな話が出てきて。で、次の段階で建物は一つの空間でなくて、ばらばらにしようと。最初にあった構想から、少しずつ、それぞれはどう思うかとかどんなことを要望するかという、協会で定期的な集まりをやりました。
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T :
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社員の声というのは、永田さんは直接お聞きになっているんですか?
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何回か向こうに行って聞いてはいる。だけど個別的に聞いてもしょうがないし、文章化されたものはあって、そういう要望は、具体的ではあるけれど総体と結びつかない。で(そのうちに)最初の基本構想… 大空間でやることに関して、なんだかこれじゃ面白くない。大屋根でソーラーをやって、それはそれでパッシブなことは出来るかもしれないけど、個別の実験もやりたい、分棟がいいのではないのかという意見が出たんだと思うんです。
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T :
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どこから? 永田さんもそう思われた?
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そう。基本構想というのは概念だからさ。大きくぼこっと、どの辺に配置するかとか。分棟案はどんな経過で出てきたのか… それぞれの棟で実験的なことが出来るということと、基本的に少し大きめの「家」と考えた方がいいのではないかと。屁理屈かもしれないけど、OMは施設建築もやっているけど、(主に)住宅をやってきたから。ただその提案に行くまでにはもうちょっといろいろあったんだと思う。あったんだけど忘れちゃった!
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