2003/02/14掲載
 

 1年前まで、事務所のある渋谷から帰るのはいつも深夜12時ちかくだった。放課後タイムどころかプライベートな時間さえなかなかとれない日々が続いていた。
 私はカメラ愛好家。機械もかなり好きだけど撮影するのはもっと好きである。夜は時間がないため、朝かなり早めに、カメラを手に家をでる。通勤途中の井の頭公園に8時ころまでに行く。あさぼらけの公園は散策する人が意外と多い。池に向かい肩をよせあう高校生のカップル、絵を描く老人。イヌに引かれて歩く婦人など、人間を自然風景の点景に入れこみ撮影する。井の頭公園はいろいろなカメラで撮影した。オリンパスのペンF・ミノルタXD、タチハラの木製蛇腹4×5カメラ、中判カメラ・フジGS645、シャッター音がなんともセクシーなミノルタのCLE(ライカMマウントのカメラ)、リコーのGR1、ペンタックスMZ−3、コンパクト蛇腹カメラ・レチナIIaなどを使いまわしていた。

 
いまはめったに使わないレチナ2AとGR1 。お守りのようなもの。

 とくに写りが際立っていたのはGS645Wとレチナ2a。やはりカメラはレンズだとつくづく思う。とくにレチナのクセノンF2/50ミリレンズは女性の肌を描写させたら極め付けで、それゆえに女性からは嫌われているカメラである。夜更かしの肌荒れまで写すからね。戦後まもないカメラだがレンズはすごい。レンズシャッターの音もシックである。GS645Wのフジノンレンズで撮ったポジを見ると、他のカメラで撮った写真は寝ぼけてみえるほど抜けがよい。レンズ性能の違いがなんであるか、このカメラで知らされた。描写性能からすればGS645Wが私にとってはベストのカメラだ。ハッセルブラッドにレンズを供給しているだけのことはある。ブローニーサイズのポジは135フィルムのポジより大きく、ルーペなしでも見やすい。中判カメラで撮るとちょっぴり写真が上手くなった気がする。ブローニーサイズフィルムは1本16枚しか撮影できないということから1枚1枚に気をくばり、安易な撮影をしなくなるのもいい影響を及ぼしている。デジカメを買うためにこのGS645Wは売ったが、手放して後悔したはじめてのカメラとなった。いまではマミヤのニュー6かGSの後継機GA645Wが欲しい!

 デジタルカメラが普及しだしてからは、私の放課後の楽しみは夜も可能になった。普通の銀塩フィルムカメラでは夜の撮影はフラッシュと三脚を用意しないと絶対に無理なのだが、スナップ派の小生はフラッシュと三脚は嫌いでめったに使わない。しかしデジタルカメラは光源がさまざまな夜のシーンでもホワイトバランスさえ留意すればかなり明るくきれいに撮れる。
 デジカメ歴はリコーの35万画素からはじまり、サンヨーの150万画素動画デジカメ、カシオの300万画素となったが、サンヨーとカシオは現役である。出版社に買わせて長期借用したニコンのクールピクス990は最高のデジカメだった。所有しているデジカメはいずれも生産停止になり店頭で投げ売りされていたのを格安で買ったものである。カシオのQV3000は定価8万円のものが確か18,900円だった。これは隠れた名機なのだ。レンズはキヤノン製でPowerShotG2に使われているものだし、CCDはソニー製、そして何よりもすばらしいのはカシオ独自のインターフェースで、さすがデジカメ普及のパイオニアだけのことはあり、非常に使いやすい。ボディサイズもライカと同じくらいの大きさで持ちやすく撮りやすい。欠点はデザインがダサイだけである。これは仕事にもよく使った。デジカメはマクロにも強い。こうして、渋谷から小金井の自宅までの帰路はデジカメでいつもパチパチやるようになった。今は仕事場が国立に移ったが、仕事が手隙のときは自転車に乗り、昼も放課後タイムよろしく国立の町をデジカメで撮っている。自転車で撮影するスタイルはかの田中長徳氏が銀座付近でおこなっているのと同じだが、実際にやってみるとなかな機動性にとみ、視点も変えやすい。おすすめしたい。

散歩カメラで自画像。カメラはカシオのデジカメQV-3000。  

 いま欲しいデジカメはパナソニックの12倍ズーム機FZ1、キヤノンのG3、ニコンのクールピクス5000などだが、とくにFZ1はスペイン人の友人に勧めて買わせたのを借りて撮ってみたらほんとうに遊べる楽しいカメラだった。12倍ズームと手ぶれ防止機能がすべてだが、これが使える。デジカメは現像、プリント代などの運転コストがほとんどかからないので懐に余裕のない小生にとっては放課後を充実させる福音である。深夜、撮影した写真をパソコンの画面でチェックするのが楽しいひと時となった。画像処理はPhotoshopの自動処理機能以外は使わない。面倒だし、処理がうまくいくとはかぎらないからだ。撮影する時に設定をいろいろ変えて余分にとるほうがいい。
 こうしてわたしの放課後タイムは朝から夜、昼そして深夜となった。バッグの中にはデジカメと28ミリレンズのGR1がいつも入っている。銀塩カメラはいざというときのバックアップ用だ。


LAST UPDATE [ Tue, 2003-02-18 11:20 ]
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