2003/12/12掲載
 

"薫製こそ男の料理" 
 この響きにつられ、普段料理をしない僕がやってみようと思い立ったのは今から10年ほど前のこと。何事も道具から入るタイプではない僕にとって、段ボールとお菓子の缶ぶた、古い電熱器で簡単に出来るというのも魅力的であった。
 先ずは初心者らしくロースハムに挑戦。大きめの段ボールにカッターで穴をあけ、あらかじめ塩と香辛料をまぶし一週間冷蔵庫で寝かした後、塩抜きした肉を吊して調理用の温度計を差し込む。薫製チップを電熱器の上に置くと、いとも簡単に煙が出て5時間ほど燻煙した後に、75度のお湯で1時間半ゆでればできあがり。と、こうマニュアル通りうまくいけば良いのですが、今まで数々の失敗がありました。

段ボールによる薫製

失敗その一・・・塩ハム
 塩抜きの行程で味見せずそのまま燻煙をかけたら、異常に塩辛いのができてしまった。その時はたまたま人にあげるつもりで大量につくったからさあ大変、当然全部我が家で食することに。その日からハムはハムとしてではなく、炒め物やスープの具として、さまざまなかたちで登場しつづけたのでした。

失敗その二・・・焼き豚
 段ボールはお手軽でいいのですが、燃えやすいのが欠点。おまけに燻煙すると箱内は極度な乾燥状態になるので、一度火がつくといっきに燃え上がってしまう。あわてて消しにいっても後の祭り。まゆ毛がこげて、ついでに焼き豚のできあがり。でもこちらのほうは割と美味しくいただけました。

失敗その三・・・苦情
 燻煙をした場所が問題でした。何しろ集合住宅の一階のベランダで、ここは東京。冬の夜にそっとやっていたつもりでも風の流れに乗ってあちこちの部屋へと煙は進入。あそこは何をやっているんだとの近所の噂話がついには直接の苦情となり、二度と出来なくなってしまいました。文字通りご近所に煙たがられたというお話。

 では、それでやめてしまったのかというと、いえいえパワーアップして蘇りました。
 なんと5年前、薫製のために(大袈裟)自宅から車で二時間の雑木林に薪ストーブのある週末住居を建ててしまったのです。薫製チップの材料となるコナラ・ヤマザクラが周りにはたくさんあって、ストーブの薪として適度に乾燥させたものをドリルでチップ状にして使っています。しばらくは段ボールで続けていたのですが、二度目の焼き豚の後、ガソリンスタンドでもらってきた大きなドラム缶を使うようになりました。

 
ドラム缶での薫製へと発展 薫製の様子と出来上がったハム
   

 週末にはハム、ベーコン。長い正月休みには生ハムつくりが恒例となり、失敗の繰り返しのおかげか本人がプロ裸足…と思うほどの美味しい薫製をつくれるようになりました。最近は調子に乗って(乗せられて?)焚き火でのダッチオーブン料理にも手を出し、料理で妻の負担を少なくして喜ばれている。と言いたいところですが、脇にビールがあって、煙のでる料理以外は未だやる気なし。薫製は男の料理と言われるゆえんでしょうか。

もっと詳しく知りたい方は:
http://plaza.harmonix.ne.jp/~mmatsu/

 
正月休みには生ハムも 週末住宅のデッキにて
 

LAST UPDATE [ Fri, 2003-12-12 19:13 ]
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