OMソーラー利用の家を建て一年半、週のほとんどを生活した現状を記してみよう。 通勤の都合と病人を持つ身となった十数年前、急遽藤沢の持家売却、三鷹駅近くの中古の家を購入したが、
ここ数年高層マンションに取り囲まれ40坪の狭い谷間、一階は陽光不足、庭は草木にも不適。 中古の家は明らかに耐震性なく、いずれ建替えが必要。 元来田舎育ちで、広い庭に住み慣れた子供の頃と同じ雰囲気への憧れ。
等々の理由で、建替えよりも田舎に家を建てるべく検討を開始した。 環境に関心のある知人から送られてきた雑誌で、松原一級建築士のことを知ったのはその頃である。 さて、この時代環境にも関心を向けて、折角建てるとすれば太陽エネルギーを利用しない手はない。その利用方法は、太陽光または太陽熱利用のいずれかである。
太陽光発電は、補助金の申請等をしても費用は安価ではない。直流→交流変換のインバーターが必要(最近のインバーターはほとんど故障なしだが電気回路としては複雑。技術屋として会社勤めの頃は盛んに利用しながら、一寸不届きな発言であるが)。 天候不順時と夜間はもちろん電力会社からの買電に依存し、日照が充分な場合、余りは売電できるがその収入は大きな金額ではない。
等と考え、一方のOMソーラーでは、
太陽熱で循環する空気を直接暖め、室内と同時に床コンクリートに蓄熱し、夜間はその放熱を利用して家全体を暖める(電気でも床暖房はできるが、例えばホット・カーペットを利用すれば居間だけで2〜3kW電力が必要)。 日照不足時は、補助暖房(灯油ボイラ)で同じく空気を暖める(熱交換器利用で効率は余り高くない)。 日照が充分であれば、洗面・風呂用の貯湯もできるので利用価値は高い。
以上の比較を、本来ならば費用対効果のコストの計算(もちろん環境問題も含めて)をしなければならないが、(会社の仕事であれば必要不可欠のことも)我が身のこととなると不精となり、OMソーラー利用へと決定した次第である。
家の設計に関してはOMソーラーを利用した個人住宅設計の経験もあり、福島に山荘を持っておられる前述の松原さんにお願いするとことなった。設計図には一台のストーブの設置スペースも画かれ、松原設計士はその設置も薦められたが、私は余り関心がなかった(暖房の重複と思われた)。しかし、娘がぜひ設置したいというので設置することにした。今となっては私も大いに感謝している。やはり燃えているストーブの炎を見ることは楽しいもので、特に寒い屋外から帰って来た時などは格別である。田舎での薪割りもまた乙である。 OMソーラーの欠点としては、
運転時(補助暖房等を含めて)ファンの音がするため、音響に敏感な人には不向きである(夜間11時頃停止しても、その時20℃〜22℃であれば明朝室内は16℃〜17℃あり起床は快適である。屋外は−2℃〜−4℃であっても…。従って昼間だけの問題であり、慣れれば気にならない)。 1階の床暖房は冬季素足では不足で、ホット・カーペットの上のような感触ではない。
が挙げられる。 以上のことからOMソーラーが、太陽光発電より遥かに優っているとはいえないが、少なくとも生活が快適であることは確かである。遠からず家庭用燃料電池も商業ベースになるであろうが、現在では環境問題も考えてOMソーラーも利用に値する方法である。