2003.4.8掲載

 OM研究所は愛知県会員工務店グループと協会の三者協働で、「OMソーラーを地域で考える」会の第1回目を1月31日名古屋で開きました。この会の主旨は文字どおり「地域で活躍する会員工務店と設計事務所がいっしょにOMへの取り組み方を再考しよう」というものですが、まずはこの会の開催に至るいきさつをOM研究所のこれまでの活動記録をたどりながらご説明します。

全国行脚の巡回設計塾
 10年前の1993年まで会員工務店を対象とした「設計スクール」が協会主催で年1回開かれ、研究所運営委員(永田昌民、石田信男、秋山東一、野沢正光、丸谷博男、長谷川敬)が講師を務めました。しかし、会員工務店の増加や遠隔地からの参加が負担ではないかということで、研究所のメンバーがそれぞれの地域へ出向くことにしました。
 そして92年、研究所主催ではじめたのが「永田昌民巡回設計塾」です。与えられた課題に対して参加者が答えを出すという受動的なスクールから、工務店も共催者となり工務店設計の建物を題材に討論するという能動的な塾へと転換を図りました。 盛岡(菅文)を皮切りに、京都(ツキデ工務店+出口工務店)、松江(木味屋)、釧路(和田建設)、鹿児島(シンケン)、木曽(阿部建設)の6地域を、永田昌民は2年かけて行脚しました。
 その成果が94年の第4回OM地域建築賞に現れ、設計力を上げた工務店のエントリーが多く、その審査にはうれしい苦労がありました。そして95、97年、フォルクスハウスAに取り組む工務店さんの腕を磨く場として開いたのが「秋山東一巡回設計塾」でした。

OMフォーラム勉強会
 96年には《OMフォーラム勉強会》を開講。これは会員工務店と設計事務所が共に学ぶ場となりました。ちょうどシックハウス問題が大きくなりはじめたころで、初回から3回にわたり室内空気質・シックハウス対処法について議論しました。それから関東圏だけで開いていたものを中部圏、関西圏、中四国圏そして九州圏へと拡大し、2001年までに45回の開催を数えています。いずれの勉強会も地域の会員工務店と設計事務所の参加を呼びかけたもので、その記録は“OMフォーラム”誌および“OM FORUM web”サイトでご覧いただけます。

OM地域建築賞・夏の学校/秋の学校・技術者会議
 1997年に釧路で発表された第5回OM地域建築賞の表彰作品は設計・施工共に質の著しい向上を示すものでしたが、応募件数の夥しい増加は審査内容・方法について再考を促すことになりました。そのため、98年の第6回OM地域建築賞では現地審査はせず、ノミネートされた応募者が発表する作品を公開審査する方法を採りました。審査は時間的にも経済的にも楽になりましたが、現地へ足を運ばず実物を見ないためOM研究所と会員工務店の直接的な触れ合いの場がなくなり、同時に地域の設計事務所と会員工務店の交流も滞る傾向に陥ってしまいました。
 そうした傾向を払拭し、OMの輪を広げようと企画した「OM夏の学校(98年)」と「OM秋の学校(2000年)」はそれぞれに充実した内容となりました。また協会主催のOM技術者会議で発表されるOM技術賞には、会員工務店の優れた技量、新鮮な発想、そして熱意が溢れていました。これらを序奏として、各地域の設計事務所と会員工務店が新しい考えやおもしろい取り組みを分かち合い、発展させる場を強化したいと、研究所は考えました。

「ソーラー研」の復活として
 そこで、研究所ではOMの基点となった「ソーラー研」(SolarCat30号参照)の精神を復活させることにしました。奥村昭雄を中心として好きな人がいろいろなアイディアを持ち寄り、議論を重ねる場であった「ソーラー研」からたくさんの技術が生まれましたし、OMソーラーの原型はたくさんの「おもしろ精神」から生まれたものです。
 「ソーラー研」の復活として大きくふたつの流れを考えました。ひとつは「土曜リレーフォーラム」、もうひとつが「OMソーラーを地域で考える」会です。「土曜リレーフォーラム」は技術的な勉強会の復活を目指し、活発な意見交換を第一義に研究所内で小規模に開いていますが、その記録はOM FORUM webサイトで公開しています。昨年6月からはじめ、この2月で7回を数えています。今後はこのフォーラムとOM技術者会議の連携を図ることを考えています。
 そして「OMソーラーを地域で考える」会は、OM研究所が地域へ出かけ、地域の会員工務店と設計事務所がOMソーラーについて議論できる場をつくるという、以前の巡回設計塾の再現です。

愛知県会員工務店の発案
 他方でこうした研究所の流れと同様の動きが愛知県会員工務店グループでも起きていました。
 研究所のガイダンス・設計講習を受けた設計者が会員工務店と組まない場合があるが、それはどうしてか。1棟だけの設計で終る設計事務所が多いのはなぜだろう。設計事務所のOMについての理解が不足し、OMらしくない設計がされ、施工が非会員工務店という場合、それが施主に少しでも不評であるとOM全体がその悪影響を受けることになり困る。設計事務所に何とかして、会員工務店が蓄積したOM施工についての十分な知識と経験を活かしてもらいたい。それにはお互いをよく理解する場、顔を合わせて忌憚のない意見交換ができる場が必要であると、愛知県会員工務店グループは考えを固めていました。
 こうした愛知県会員工務店グループの発意と研究所の考えが一致して第1回目の「OMソーラーを地域で考える」会の開催へと結びついたわけです。

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LAST UPDATE [ Wed, 2003-04-16 14:43 ]
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