35mm一眼レフカメラ用の超広角レンズ。実は、建築関係の雑誌に写真を提供しているプロの写真家から譲り受けたものです。
 初めて使ったときのこと。このレンズを持って、完成したばかりの住宅を撮影に行きました。しかし、いざ撮影にはいると、どこにレンズを向けても歪みが気になってフレーミングできないのです。それまで使っていた24mmの広角レンズとは次元の違う歪みです。とまどいながらもシャッターを切ったのですが、撮影した写真を見ると、思っていた以上に使いものにならないものばかり。完全にレンズに弄ばれてしまいました。
 とはいえ、実際にいい写真が撮れるのはプロの写真を見れば明らかで、問題は腕の差。素人には使いこなせないのかと思いながらもプロの写真と見比べながら研究しました。結局、超広角ならではの「歪み」をデフォルメの道具として強調するか、目立たないようにするかの二つに一つ。中途半端な使い方では「歪み」が目立ってしまうことがわかり、それを肝に銘じて撮影するようにして、なんとかものになるようになりました。
 独立して住宅ばかりを設計するようになり、今では住宅の狭い空間を表現するのになくてはならないレンズになっています。

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LAST UPDATE [ Mon, 2003-01-27 14:58 ]
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