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第一次石油危機のおこった1973年、アメリカの建築家A・バウエンは「パッシブ・アンド・ローエナジー」という建築運動を提唱します。バウエンは「外部の環境に開かれた」というぐらいの意味で使っています。つまり高エネルギーの石油を使って暑さや寒さを力で押さえ込むのではなく、太陽エネルギーをはじめとする自然エネルギーを建築に巧みに活かしていこうという運動です。この運動はパッシブ建築を世界に広める上で大きな影響力を持って今日に至っています。
高密度であるが有限な石油などの資源エネルギーとは全く対称的に、パッシブ建築が利用する太陽光や風といった環境エネルギーは地球上に無限にあります。しかし、エネルギーの密度は希薄であり、時間的・季節的・地域的にも異なります。パッシブ建築はその建てられる地域の自然条件を現在の先進技術を用いて解析することで、自然エネルギーを利用します。建築における新たな「自然」の再発見といったのはそのことです。熱や空気の流れの解析が必要なパッシブデザインは、1970年以降のコンピュータの普及によって、変動する気温の影響や日射の集熱・蓄熱効果を予測するプログラムが設計のシミュレーション・ツールとして開発され利用されるようになって、初めて可能になった設計方法なのです。
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