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2010年7月から開催されている愛知県立芸術大学の施設整備ビジョン検討会の委員である、原設計者の奥村昭雄 東京芸術大学名誉教授 が、12月17日の第8回検討会にて検討会からの離脱、委員を辞任されました。以下に辞任にあたって、検討会に提出された宣言の全文ままを掲載いたします。

 

第8回愛知芸大施設整備ビジョン検討会御中

宣言

20101217 奥村昭雄

I. 一番の問題はなにか。

 全学生・全教員・全卒業生・原設計者、に、この改築計画についての情報が提供されないまま、計画を進めてきたこと。即ち、真にこのキャンパスについての思いを持つ人たちには、知らされないまゝこの計画が進み、県民の税金を預かる県も参加していない片寄った一部の頭脳によって建て替え計画の実行が推進された、その理由と責任の所在が問題である。そのことが、7回の検討会と3回の部会に出席することで理解出来た。

 いみじくも検討会と部会の中で、大学法人側は「あくまでもビジョン検討会は何かを決定する機関ではなく方向性を示す場。その中で大学が基本的な整備計画を作っていくことになる。それぞれの先生方のご意見を伺う形である。」と言われ、それに対応するかのごとく、神田知事は先の県議会答弁で「ビジョンの内容をしっかりと受けとめ、県での検討も加え、魅力ある大学作りに努める。」と原稿を読まれた。これは言葉のすり替えであり、責任の所在をごまかす方法である。この検討会に参加していても、ただ意見を述べさせていただけるだけで、なにも検討しないで進むだけである。なんのために参加しているのかわからない。無意味であるばかりでなく、利用されていると感じる。

 

II. 私の意見を要約する。

 全体計画をもっとよく考えてから、個別の計画に進んでほしい。よく考えないうちに大事な建物二つ(外人校舎と女子寮)を壊さないでほしい。よく考えるという時間の中で、緊急の問題については、修復保全と言う手法で対応してほしい。ずい分長い間、本当に必要な改修をしてこなかったのだから、今すぐにでも出来ることから対処してほしい。それについての検討は、県が十分にやってくださっており、実行に移ることは困難ではない。何故県が、税金の使い方も考え、何故もっと安価に出来る方法がいくらでもあるのに、今までの検討実績を生かさないのか不思議である。

 よく考えるということの中で、自然保護の観点を忘れてもらっては困る。芸術教育に必要な環境のなかみをしっかりと見極めてほしい。デザインコードなどをそのコンセプトとした言葉遊びではなく、建築設計の実体を掴まえてほしい。自然から学べば景色の問題に繋がる。建物は景色の一部である。I.で述べたように、多くの人たちはこの愛知芸大のキャンパスを評価しているのにその評価が表に現れないのは、知らされていないからである。

 

III. 社会に開かれた討議の場を求める。

 私はこの閉ざされた検討会に出席することが学内や県民の皆様のために役立つのか。もっと社会に開かれて多くの人々が参加できる意見交換の場はないのか。このような場合私達建築家は、どのような態度をとるべきなのか。大変迷うところである。しかし、なにかを選ばなければならない状態である。もしかすると、この選択は間違っていると批判されるかもしれないが、私は決断した。ここに宣言します。私は「公立大学法人愛知県立芸術大学施設整備ビジョン検討会」から離れます。そして、この問題についての、とるべき道を探り、多くの方々の意見と共に考えることに努めます。  以上

(添付別紙「まぼろしの陳情書」は、報告として添付いたしました。)

 

[ LAST UPDATE Mon, 2010-12-20 18:33 ]
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